キャプテンコラムCAPTAIN COLUMN

株式会社キャプテン・ユーの社長が
日常生活で感じたことを綴ります。

おいおい!神戸家裁

1997年,全国民が戦慄した神戸連続殺傷事件が起きた。切取った幼児の生首を校門の前に晒して、警察に挑発するような文面の脅迫状を「酒鬼薔聖斗」の名前で送りつけるなど史上類を見ない凶悪犯罪であった。そして衝撃だったのが、その犯人が14歳の少年だったということである。この少年は6年間の刑に服してから一般人として普通の生活を送っている。被害者遺族の猛反対にも関わらず手記「絶歌」を上梓している。その中で結婚して子供も授かっていることが分かる。この事件をきっかけに少年法も見直されている。それでも私は少年法はまだまだ甘すぎると思っている。

 この事件の記録を神戸家裁は全部破棄してしまった。あり得ないことである、確かに最高裁の「少年調査記録規定」には少年が26歳に達するまで保存するよう規定されている。一方で史料や参考資料となるべきものは「保存満了期間の満了の後も保存しなければならない」と特別保存として26歳以降も永久的に保管するよう定めている。この事件は特殊な凶悪犯罪であり、まだまだ検証出来ていない部分もあり、捜査過程記録、精神鑑定記録など今後に参考すべき事柄が多く残されており、これが全て破棄処分されてしまったのだ。最高裁は「事件記録が特別保存にされなかった理由や破棄された当時の状況については不明であり、当時の神戸地裁の判断が適切であったかどうかについての見解を述べることは差し控える」としている。なんと、この身内に甘い、無機質な物言いは。明らかに大失態である。この他にも長崎、愛知、山形などで起きた少年凶悪大事件の事件記録が全部破棄されていることが各家裁への取材で分かった。これも最高裁は調査をしない方針で、破棄の経緯非公開だった少年審判の検証は困難な見通しとなってしまった。事件の重要性など関係なく、古い事件の記録から、事務的に破棄しているように感じてしまう。膨大な記録資料なので保管場所などに困ると思うが、紙で保管するのではなく、デジタル化を図れば場所の問題は一気に解決する。データの取り出しも早く、火事などで焼滅するリスクもない。日本の役所のIT化は世界中から見ても随分遅れており早急にIT化を進めるべきである。IT化が進めば仕事の効率が高まり、人員の削減にも繋がると思う。もしかして、この人員削減を避ける為にIT化を遅らせているのかなと勘ぐってしまう。日本の場合はインフラも整っているので、そんなに不自由感がないのも遅れている原因かも知れない。人間しか出ない仕事に多くの時間を費やす事が可能な為にも、一刻も早くIT化を進めるべきである。何よりも保管場所がないからと貴重な資料が破棄されたらたまったものでない。

独り言の好きな男より