ロシアのウクライナ侵攻から3年
ロシアのウクライナ侵攻が始まって、2月24日で丸3年になる。当初ロシアは2週間で終結させるつもりでいたようだが、ウクライナの想定外の踏ん張りと欧米諸国をはじめ世界各国の支援などもあり、この3年間何とか持ち堪えている。軍事大国と言われていたロシアの意外な軍事力の弱さも、世界に露呈してしまった。北朝鮮などはロシアに兵士を1万人以上派兵する暴挙に出ている。ロシアもウクライナも相当な疲弊だと思う。プーチン露大統領はどんなことがあろうが自ら終結を言い出すことは絶対にない。ゼレンスキー大統領も、心中では早く終結したいと思っているだろうが、外交事であるので口が裂けても弱気な態度は見せられない。本来ならば世界平和を謳う国連が最強の軍事力を保持していて、仲介の役目を果たしてくれるのが理想的だが、残念ながら国連にそんな軍事力も機能もない。常任理事国のロシアが戦争を犯しているので、ウクライナ侵攻非難決議さえも行えない情けない状況である。そんな中、アメリカ合衆国トランプ大統領が誕生した。トランプは選挙中「俺が大統領になればウクライナ戦争は24時以内に終結させる」と言い放った。いざ大統領に就任したら、流石に24時間以内の終結は無理だったが、ロシア、ウクライナ戦争の終結には意欲を示している。しかしトランプ流終結方法がどうもいただけない。ロシアに有利な条件で進展しそうな流れである。当事者のウクライナ、そしてEUを参加させないで、米露で話合いが進みウクライナ、EUの反発を招いてしまっている。またトランプは米国の今までの支援の見返りに、ウクライナの地下資源(レアアース)の採掘権利を強引に要求したので、ゼレンスキーが難色を示したら、トランプは途端にロシアに有利な終結案に動き出した。ゼレンスキーは選挙を経ていない正式な大統領でない(戦争中で任期が過ぎていたが選挙が行える状況でなかった)とプーチンと同じことを発言し、物議を醸した。アメリカの支援は大変重要だが、しかし、ここでロシアに妥協した終結に進んだら、民主主義の敗北であり、世界秩序に大きな禍根を残すことになる。武力による現状変更を許せば、今後世界中で強者が弱者に侵攻することは火を見るよりも明らかである。アメリカが支援から抜けても、EUをはじめ日本も含めてウクライナを支援する姿勢を示さないと、ロシアに足許を見透かされてしまう。ロシアも相当厳しい状態なので、ここはチキンレースではないがタフな交渉が求められる。やはりアメリカの存在は不可欠であり、トランプ大統領はディールの達人なので、何か秘策があることを信じてウクライナ戦争の終結に向けて頑張っていただきたい。これは民主主義国家VS独裁国家との今後の世界秩序を占う戦いでもあるのだ。
独り言の好きな男より