敗軍の将、兵を語らず
5月17日大阪都構想の賛否を選択する住民投票は僅差で反対に軍配上がる。
NHKの速報を観ていたら、賛成が少し有利かなと思ったりもした。
急にアナウンサーが「ただ今、情報が入りました反対票が多数となりました。
大阪構想は否決されました。」と放送があり、我が家は意気消沈である。
普段は選挙、政治などに興味のない息子、娘達も、この日ばかりはNHKの速報に一喜一憂していた。それにしても本当に僅差であった。
敗軍の将、橋下徹の記者会見は見事であり、りっぱな男らしい会見であった。
恨み辛みごとは一切吐かなかった。負けを真摯に受け止め、大阪市の住民に謝意を示し、民主主義の大切さも訴えていた。一種、爽やかな風が流れたようにも感じた。本人もやることはやったと言う気持ちもあっただろう。
しかし、しかしである、橋下徹の胸中は分らないが、多分、悔しくて、悔しくて堪らない気持ちだったと思う。「大阪は本当にこのままでいいのか?」
「今、変わらないと地盤沈下は続き、将来の世代に大きな負担が掛かるのが何故、分からないのか!」「もう俺は知らん!」代弁すればこんなところだと思う。
それにしても、一隅千載のチャンスを逃したものである。痛恨である。
反対派の集会で意見を聞いたけれども、批判と不安を煽ることばかりで、
平松前市長が「橋下は天才的な嘘つきである」と発言した時に、私が首を傾げた時に、「今、首を傾げられましたが」と言われたので、私が「どの部分が嘘なのか具体的に言って下さい」と言ったら、何やらウヤムヤな答えであった。
大阪構想がバラ色の未来だとは思わないが、少なくともビジョンが明確である。
反対派はまったくビジョンを示さず、批判と不安を煽ることに終始していた。
会社でも、またどんな組織でも現状維持でいいと思った時には、まず100%
下りになることは間違いない。何かを変えることはエネルギーが必要だし、
リスクも背負うかも知れない。しかし、座して死すよりも動くことの方が可能性があるのである。
既得権益者は胸を撫で下ろしていると思う。しかし、また必ず大阪の歪が近い将来あぶり出され、二重行政の問題が出てくると思う。その時は賛成が圧倒多数で勝つと思うが、遅きに失する感である。今回の住民投票は若い人の意識が向上したので、政治家も年配者中心の政策から若年者への政策も無視出来なくなるだろう。政治を動かすのは若い力であるのは間違いない。
独り言の好きな男より